（公財）東日本不動産流通機構（東日本レインズ）はこのたび、「首都圏不動産流通市場の動向（2021年度）」を発表した。同機構に登録された不動産物件のうち、首都圏（東京都区部、東京都多摩地域、埼玉県、千葉県、横浜市・川崎市、神奈川県その他）における2021年4月～2022年3月の不動産流通市場の動向をまとめたもの。
※2020年度より、一戸建て住宅・土地の用途地域が未設定・無指定の物件について集計対象から除外する等の集計条件の変更を行い、前年度比の数値は新たな集計条件に基づき算出しているため、2020年度は既に公表している数値と比較した前年度比ではない。

首都圏における既存（中古）マンションの成約件数、6年連続で3万7,000件台を維持

2021年度の首都圏における既存（中古）マンションの成約件数は3万7,828件（前年度（2020年度）比2.1％増）で（表1）、「2年ぶりに前年度を上回り、6年連続で3万7,000件台を維持」する結果となった。エリア別に見ると、横浜市・川崎市を除く全てのエリアで前年度を上回った。
成約物件の㎡単価は、首都圏平均61.36万円（同9.3％上昇）で、9年連続で上昇し、2012年度の38.40万円と比べ、この9年で59.8％の上昇となった。エリア別に見ても、全てのエリアで前年度から上昇した。
成約物件価格は首都圏平均3,949万円（同7.7％上昇）で、㎡単価と同様に、9年連続で上昇した。エリア別に見ても、全てのエリアで前年度から上昇する結果となった。
成約物件の平均専有面積は64.36㎡（同1.5％縮小）だった。平均築年数は22.96年（前年度22.10年）で、経年化が進む結果となった。

表1：既存（中古）マンション成約状況

出典：（公財）東日本不動産流通機構　「首都圏不動産流通市場の動向（2021年度）」

既存（中古）一戸建ての成約件数は4年連続で前年度を上回り、過去最高を更新

2021年度の首都圏における既存（中古）一戸建ての成約件数は1万4,732件（前年度比4.5％増）で（表2）、4年連続で前年度を上回り、過去最高を更新した。エリア別に見ると、千葉県を除く全てのエリアで前年度を上回った。
成約物件価格は、首都圏平均3,524万円（同10.2％上昇）で、3年連続で前年度を上回った。エリア別に見ても、全てのエリアで前年度から上昇した。
成約物件の平均土地面積は142.13㎡（同5.0％縮小）、平均建物面積は103.92㎡（同1.5％縮小）で、ともに前年度から縮小した。平均築年数は21.12年（前年度21.42年）で、「築浅にシフト」する結果となった。

新築一戸建て住宅の成約件数は4,600件（前年度比21.6％減）で、4年ぶりに前年度を下回った。成約物件価格は首都圏平均で3,977万円（同11.3％上昇）となり、3年連続で前年度を上回った。成約物件の平均土地面積は122.20㎡（同0.9％拡大）、平均建物面積は97.79㎡（同0.1％縮小）となった。

土地（100～200㎡）の成約件数は5,599件（同6.6％減）で、2年ぶりに前年度を下回った。成約物件の㎡単価は首都圏平均20.98万円（同7.1％上昇）で、3年ぶりに前年度を上回った。成約物件価格は首都圏平均3,035万円（同7.1％上昇）で、㎡単価と同様、3年ぶりに前年度を上回る結果となった。

表2：既存（中古）一戸建て成約状況

出典：（公財）東日本不動産流通機構　「首都圏不動産流通市場の動向（2021年度）」