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2022/12/11 税金
年間の合計所得が30億円を超える超富裕層を対象に課税を強化
政府・与党は、年間所得が1億円を超える富裕層ほど所得税の負担率が下がる「1億円の壁」の是正に踏み切る。
年間の合計所得が30億円を超える超富裕層を対象に課税を強化し、相応の負担を求め、不公平感を是正する。令和7年分の所得から適用する方針で、投資家が株式の売買で得た利益をスタートアップ(新興企業)に再投資した場合に20億円までは売却益に課税しない優遇措置と併せて調整する。5年度の与党税制改正大綱に反映させる。
自民党税制調査会の宮沢洋一会長は13日の会合後、記者団に対し、「年収平均で30億円くらいの方について少し負担を増やさせていただく」と表明。金融市場に配慮した上で、税負担が増える所得基準を30億円に設定したと説明した。
税負担が増すのは年間合計所得が30億円を超える200~300人程度の超富裕層で、所得50億円ならば税負担が2~3%程度増える見通し。超富裕層に対しては新たに合計所得金額から3・3億円を差し引いた上で、22・5%の税率をかけた金額を算出。この金額が通常の所得税額を上回る場合に差額を徴収する。
給与などに課せられる所得税は収入が多いほど税率が高くなる累進課税で、自治体に納める個人住民税を含む最高税率は55%(課税所得4千万円超)。ただ、株式譲渡益など金融所得への課税は所得税と住民税を合わせて一律20%に制限され、所得に占める金融所得の割合が高い富裕層ほど税率が低くなっていた。
こうした格差是正に向けて、岸田文雄首相は昨年秋の自民党総裁選出馬の際に、富裕層への金融所得課税強化による1億円の壁の打破を掲げた。だが市場や金融業界から、貯蓄から投資への流れに水を差しかねないと反発が強まり、方針を先送りしていた。
今回の措置は金融所得課税ではなく、少額投資非課税制度(NISA)の非課税所得などを除いた富裕層の所得全体を課税強化の対象とすることで所得税負担の適正化を図る狙いだ。
とはいえ、富裕層への課税強化は税率の低い国への富裕層の転出を促し、税収減を招く懸念も指摘される。2012年のオランド政権下のフランスでは、年収100万ユーロを超える超富裕層への課税を強化した結果、重い税負担を嫌った富裕層が外国籍を取得する動きが急増。結局、税収が減少したため、課税強化を取りやめた例がある。
参考元:【所得30億円以上の超富裕層の課税強化、「1億円の壁」是正へ - ライブドアニュース (livedoor.com)】
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