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千葉・鴨川に出現、22階建て「終の住みか」の全貌/東洋経済オンライン

2022/05/12 ライフプラン

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三井不動産が開発、都内から居住者が続々

南房総の老人ホームに、都内からの入居者が相次いでいる

 

東京駅から特急で約2時間。海水浴場や水族館を抱える南房総のリゾート地、千葉県鴨川市を訪れると、丘陵に地上22階建てのタワーマンションが現れる。

 

周囲には戸建てや低層のビルがほとんどの中、トライスター型(Y字)建築物が異彩を放つ。その正体はホテルでもリゾートマンションでもない。三井不動産レジデンシャル(以下、三井不レジ)が開発した介護付き有料老人ホーム「パークウェルステイト鴨川」だ。

 

同社シニアレジデンス事業部の鳥羽茂室長は「まだまだ元気で介護は必要ないが、新しいことを始めたい人向けの施設」と解説する。入居条件は満60歳以上かつ、自分自身で身の回りのことができる程度の健康状態であることだ。

 

健康なうちに入居する

老人ホームには「自立型」と「要介護型」の2種類があり、鴨川は前者にあたる。介護施設に入所する段階ではないものの、将来を見据えて介護や医療体制が整った住環境を求めるシニアを念頭に置いている。

 

 

首都圏など都市部を主要営業エリアとする三井不レジが房総半島の南端に老人ホームを建てた背景には、近隣に立つ「亀田総合病院」(以下、亀田病院)との関係がある。

 

「CCRCを作りたい」。ある日、亀田病院の担当者が三井不レジにこう持ちかけたという。

 

CCRCとは「Continuing Care Retirement Community」の略。健康時に入居し、医療や介護サービスを受けながら生涯にわたって住み続けられる生活共同体を指す。元気なうちは趣味や娯楽、住民との交流に興じつつ、いざとなれば介護や医療措置を同じ地域で受ける。前段階にあたる健康時の生活や娯楽施設を三井不レジが開発し、その後の医療は亀田病院が担うという流れだ。

 

パークウェルステイト鴨川の開発地は元々、総合病院や特別養護老人ホームなどを展開する亀田グループが所有しており、かつては空港向けの採石場として利用されていた。採石が一段落した後は遊休地となっていたことから、亀田グループが三井不レジに老人ホームの開発を打診し、プロジェクトが始動した。

 

パークウェルステイト鴨川は総戸数473戸中、64戸は専用設備や24時間の見守りサービスが付いた介護居室となっている。施設内には亀田グループが診療所を開設し、入居者の健康状態を観察。介護が必要になった場合は一般居室から介護居室へ移り、さらに治療や入院が必要になれば近隣の亀田病院に移る。

 

自立型老人ホームの中には、介護や医療が必要になると退去せざるをえない施設もある。これに対し、パークウェルステイト鴨川では、入居者は要支援や要介護状態となっても、原則同じ施設にとどまることができるため、鴨川が文字通り「終の住みか」となる。

 

 

高級仕様に仕立て上げる

 

不動産会社が病院と連携し、CCRCの機能を持つ施設を開発したのは全国的にもあまり例がない。

 

健康を自認するシニアが対象であるためか、建物に介護施設の雰囲気はほとんど見当たらない。外観は都市部に林立するタワーマンションと遜色なく、エントランスは三井不レジの分譲マンションの中でも最上級ブランド「パークマンション」に匹敵する高級仕様に仕立てた。

 

1~2名用の居室は40平方メートル~110平方メートル台と広く、専有部は分譲マンションと同様の設備を導入した。一方で、「背の低い入居者向けに照明のスイッチを低く設置し、逆にコンセントは床からやや高い位置に配置して腰をかがめる必要がないようにしている」(シニアレジデンス事業部の石川一寛主任)と、設計はシニアを意識した。

 

施設は分譲ではなく、賃貸(利用権方式)だ。その気になるお値段はいくらか。住戸の広さや入居者の年齢にもよるが、大海原が一望できる14階の住戸(53平方メートル、1LDK)に満78歳で入居する場合、入居一時金は4400万円。加えて各種サービス料(共益費、サービス料、食事代など)が毎月18万5700円発生する。

 

入居一時金は一括ではなく月払いの方法もあり、その場合の賃料は月28万2000円となる。これにサービス料を足した46万7700円が1カ月の支払総額となる。

 

当然、アッパーミドルや富裕層が対象となるが、2020年7月のホームページ開設以降、千葉県内や東京都内の在住者を中心に4000件以上の問い合わせがあり、11月の開業時点で100戸超が契約済みだ。「顧客には自宅を売却せずとも利用料を負担できる水準の資産を保有する人たちが多い。今後は年間100戸ペースで契約を進めていきたい」(鳥羽氏)。

 

 

高価格帯の老人ホームに注力

 

内閣府の高齢社会白書によれば、日本の65歳以上人口は2015年の3300万人から2045年には3900万人へ増加する。大半は1人もしくは2人世帯であり、医療・介護体制が充実した終の住みかへのニーズは少なくない。

 

三井不レジが老人ホーム「パークウェルステイト」シリーズの開発に着手したのは2017年。シニア向け住宅を成長分野と位置付け、開発を担うシニアレジデンス事業部と運営主体となる子会社「三井不動産レジデンシャルウェルネス」を設立した。自立型老人ホームは賃料が月10万円前後の中価格帯の競争が激しく、三井不レジは供給の少ない高価格帯へと舵を切った。

 

鴨川以外でも2019年6月、東京都杉並区に第1号案件「パークウェルステイト浜田山」を開業した。浜田山は約56平方メートルの住戸に満78歳で入居する場合の価格は8174万円。これにサービス料が月約26万円加わる。医療面では、順天堂大学病院が人間ドックや緊急搬送時の対応を担う。

 

2024年秋に港区西麻布で開業する「パークウェルステイト西麻布」は、定期健診や治療・入院の対応で慶應義塾大学病院と連携する。施設内のレストランは帝国ホテルが切り盛りする。価格は現時点では不明だが、鴨川や浜田山の比ではなさそうだ。

 

不動産業界において老人ホームはヘルスケア施設に区分され、すでに投資市場が一定程度形成されている。不況時でも稼働が安定しているうえ、立地や賃料勝負となりがちな賃貸マンションに比べて、運営次第では高い付加価値をつけられる。

 

三井不レジは健康時、介護時という垣根を越え、終身での高齢者施設というコンセプトで富裕層に訴求する。工夫次第で老人ホームはオフィスやマンションと並ぶビジネスの柱となりそうだ。

 

 

 

【参考元:千葉・鴨川に出現、22階建て「終の住みか」の全貌 | 不動産 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)

 

 

 

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