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2022/08/30 不動産ニュース
中古住宅は新築に比べて経年劣化や、建物・設備の不具合や欠陥などが多い可能性がある
中古住宅を購入する際、物件探しや売り主との交渉などは取引の専門家である不動産仲介業者に依頼するのが普通です。中古住宅は経年劣化に加え、建物や設備の不具合や欠陥といった問題は新築と比べて多い可能性があります。ただ「不動産仲介業者は必ずしも建物や設備の問題に詳しい専門家とは限らない」ことをご存じでしょうか。
不動産仲介業者は個人や法人として「宅地建物取引業免許」を取得しており、さらに各事務所に「宅地建物取引士」という資格を持つ人を5人に1人以上の割合で設置しなければならない、と定められています。宅地建物取引士は土地建物取引のプロです。資格を取得するには不動産取引に関連する民法や判例、都市計画法や建築基準法など建築時の各種制限について学びます。一方、建物の構造や施工、劣化状況の判断方法や維持管理方法などは資格試験の範囲に含まれていません。
したがって、宅地建物取引士は必ずしも「建物の建築や劣化状態の判断、維持修繕の専門家」とは限らないのです。
不動産の売買や賃貸を取り次ぐ不動産仲介業者には当然、相応の専門知識や能力が求められます。建物や設備などの不具合に関する調査説明の責任もありますが、その範囲は判例で「通常の注意を尽くせば物件の外観(建物内部を含む)から認識できる範囲で物件の不具合や欠陥などの有無を調査し、その情報を買い主に提供する義務を負う」とされています。
一方で、「通常の注意を尽くして外観を確認しただけではわからない建物の欠陥や不具合、地中障害物の有無などについては、調査、説明、告知すべきものと解するのは相当ではない」とした判例もあります。不動産仲介業者は建物の専門家ではないので、仲介する物件を調査したり説明したりする責任の範囲はこの程度である、と示された判例といってよいでしょう。
不動産仲介業者が必ずしも建物の専門家ではなく、調査説明責任も限定的となると、中古住宅を安心して購入するには事前に「建物の専門家に調査してもらいたい」と考えるのは当然でしょう。2018年4月1日施行の宅地建物取引業法の一部改正で、不動産仲介業者は売り主や買い主に対してインスペクション(建物状況調査)をしたいかどうかを実質的に確認しなければならないことになりました。
具体的には、不動産仲介業者が媒介契約を依頼者と締結するとき、つまり買い主探しや物件探しを依頼されたときには、インスペクションについて説明し業者をあっせんできるか否かを依頼者に示さなければなりません。また、あっせんできるならば依頼者からの要望があればインスペクション業者を手配しなければならない、というのがルールです。
なお、買い主が不動産仲介業者と媒介契約を締結するタイミングは実務上、不動産売買契約締結の当日ということが多く、「買い主は実質的にインスペクションを依頼できない」という声があります。ですので、インスペクションをしたい場合は物件探しの初期段階から不動産仲介業者に希望を伝えておくとよいと思います。
一方、インスペクションには「売り主の許可が得られないと実施できない」という課題があります。売り主が応じないケースもありますし、仲介業者が避けようとするケースもあります。ですので、建物に不安があるならばその物件は買わない、という判断も必要だと思います。ただし、インスペクションを実施すると「建物の状態を理解して買ってもらえるうえに、後でトラブルになりにくい」ことを売り主に説明すれば大抵は理解が得られる、と筆者は経験から考えています。
なお、宅地建物取引業法上のインスペクションは調査範囲が限定され、調査結果しか報告されないという面があります。より広い範囲を調査したい、対処方法についてもアドバイスを受けたいという場合は、個別にインスペクション会社に依頼したほうがよいでしょう。
インスペクションは目視調査ではありますが、お医者さんが問診するようなものです。表に出ている現象を見逃さず、その原因や問題点を想定し対処方法を考えます。個別に依頼した場合のインスペクション費用は様々ですが、一戸建てならば10万~十数万円程度が一般的です。安心料としては高くはないと思いますので、中古住宅の購入をお考えならば検討するとよいでしょう。
参考元:【中古住宅、購入前に「インスペクション」で確認を: 日本経済新聞 (nikkei.com)】
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