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2025/05/25 不動産投資
不動産投資と太陽光発電を組み合わせることで、収益性を高めることができます。この記事では、太陽光発電の導入メリット、不動産投資との相性、官公庁の支援制度について詳しく解説します。
太陽光発電は、シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用して、太陽の光エネルギーを太陽電池(半導体素子)によって直接電気に変換する発電方法です。
太陽をエネルギーとするため、設置する地域に制限がなく導入しやすく、屋根や壁を使うため新たに土地を必要としません。また、送電設備のない山岳部や農地など遠隔地の電源として活用でき、災害時の非常用電源としても使われますが、気候の影響を受けることもあります。
政府は2020年に行われた「2025年カーボンニュートラル宣言」をもとに、2030年度に2013年度比で温室効果ガス46%削減を目指しています。
そのため、再生可能エネルギーを導入する施策をすすめていますが、なかでも2021年10月に閣議決定された「エネルギー基本計画」では、2030年度の電源構成として再エネ導入目標を 36~38% とし、そのうち太陽光は、14~16%と多くを占めています。
引用:資源エネルギー庁「今後の再生可能エネルギー政策について」https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/052_01_00.pdf
太陽光発電には多くのメリットがあります。まずは売電収入を得られることです。2025年度の売買価格は次の通りです。
【2025年度の太陽光発電の売買価格】
初期投資支援スキーム=住宅用太陽光は24円(~4年)、8.3円(5~10年)、事業用太陽光(屋根設置)は19円(~5年)、8.3円(6~20年)
参照:再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2025年度以降の買取価格等と2025年度の賦課金単価を設定します
https://www.meti.go.jp/press/2024/03/20250321006/20250321006.html
FIT制度は再生可能エネルギーの固定価格買取制度です。国が定めた金額で、一定期間、電気事業者が高額で電気を買い取る制度です。
2032年度以降にこの制度が順次終了していくことで、小規模事業者の大量撤退が懸念されています。2025年度下半期からは、屋根設置太陽光発電の導入を加速化させるため、国民負担が増えない範囲の中で初期投資支援スキームを導入することになりました。
また、太陽光発電により、マンションやアパートの共有部の電気代を軽減でき、「大家さん」として住んでいる場合は自宅の電気代を太陽光発電で補えます。
ほかにも太陽光発電システムを設置すると、新築・既存に関係なくBELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System:建築物省エネルギー性能表示制度)の高いエネルギー性能評価を受けることができます。
BELSの評価は、ZEH住宅の補助金申請に利用できるほか、建物自体の信頼性にもつながります。
ZEHは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を省略した言葉で、建物の断熱性を高め、効率的な設備を導入することによって消費するエネルギーを少なくし「省エネ」を実現。太陽光発電などの再生可能エネルギーを創り出す「創エネ」によりエネルギー収支の正味ゼロを目指した住宅です。
また、太陽光発電の設置には導入コストがかかりますが、企業はもちろん、個人が自宅に導入する際にも国や自治体からの補助金を活用できます。
環境省が実施する「住宅用ZEH補助金」などが代表的な制度です。
また、地方自治体によっては、太陽光発電導入に伴う補助金の提供や税制優遇措置を実施しています。各地域の政策を調査することで、より有利な条件で投資を行うことができます。
今後、政府が推進するカーボンニュートラル政策により、再生可能エネルギーの導入が今後ますます促進される可能性もあります。長期的な投資計画を立てるうえでこれらの制度は定期的に注目すべき動向となっています。
一方で、太陽光発電導入には一定のリスクも伴います。
まずは、初期費用が高額であるため、回収までに時間がかかる可能性があります。
設備のメンテナンス費用が継続的に発生すること、経年劣化による性能低下も考慮しなければなりません。一般的な初期費用として、ソーラーパネル、「直流」の電気を、家庭内で使うために「交流」の電気に変換するための機器であるパワーコンディショナー、蓄電池、ソーラーパネルを屋根などに固定する架台やソーラーパネルの設置費用、補助金申請費用や、設置後の確認にかかる諸経費などで数百万円と考えられます。
また、天候の影響によって発電量が左右されるため収益が予測しづらい側面もあるほか、FIT価格の変動のように、政策変更による売電価格の変動が影響を与える可能性があります。
長期的な投資計画を立てる際には事前に保険に入るなど、無理のない範囲でリスク管理を行うことも重要です。
これまでも、投資家として太陽光発電を行っている人は見られました。
例えば、地方の空き地を活用して太陽光発電施設を設置した投資家は、土地の有効活用と安定収益の確保を両立させています。また、賃貸物件の屋根に太陽光パネルを導入し、売電収入と入居者の電気代削減を実現することで魅力的な物件を作り上げた方もいます。
今後、再生可能エネルギーの需要はさらに拡大し、ESG投資の流れも追い風となるでしょう。
特に、電力需給の変化や新たな買取制度の導入によって、太陽光発電投資の選択肢は広がると考えられます。不動産投資を進める中で、持続可能な収益源として太陽光発電を組み込むことは、今後の市場環境において有効な戦略となるでしょう。
近年では、REIT(不動産投資信託)やクラウドファンディングを活用して太陽光発電投資を組み込む動きも見られ、個人投資家も比較的低コストで参入できるようになっています。
このように、不動産投資と太陽光発電を組み合わせることで、収益モデルを多様化し、長期的な資産形成を行うことも可能です。投資はリスクもあるため、メリットとデメリットを整理して行いましょう。
【著者:ワイズアカデミー(株)】
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